中津新聞

2019.07.25

旅する働き方改革会議♯1~旅するように働く、とは?~


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7月6日、株式会社umari 代表の古田秘馬さんをお招きした「旅する働き方改革会議#1」を、西田ビル3階の「Co-Creating Space」で開催。ファシリテーターは東邦レオの吉川が努めました。

「僕、年に地球6周分移動してるんですよ。」

日本と海外を行き来しながら、日本各地で楽しいことを仕掛け続けている、という印象の秘馬さん。その原点は幼少期の家庭環境にあるようです。ご両親の仕事の関係で、日頃から自宅に世界各国のお客さまが集まり頻繁にパーティが開かれていたという古田家。

秘馬さんは、6歳のころにはパーティのホストを任され、言葉や文化が違う中でも「どう喜んでもらうか?」を考えるようになっていたとか。また、お小遣いも「誰をどう喜ばせるために使うのか?」というプレゼン制。もはや人を喜ばせるための英才教育、と言った環境で育ったそうです。

2009年にスタートした「丸の内朝大学」は、朝の通勤ラッシュでつらそうに電車に揺られている人々に注目したことがきっかけでした。この通勤ラッシュの人々を笑顔にするにはどうすればいいか?を考えた結果、ラッシュに巻き込まれないように通勤時間をずらし、同じ志を持った仲間で集まれるこの形が生まれたそうです。今では2万人の受講生を持ち、さらに100組の受講生カップルも誕生したのだとか!

吉川「そろそろ、本日のテーマに移りたいと思いますが、なぜ、日本の地方に注目されたんですか?」

秘馬さん「海外ばかり行っていて帰ってきたタイミングだったりとか、各地に美味しいものがある、いいところがあるのにうまく発信できていない、とかきっかけはいろいろあります。あと、20年前は地方創生=大変な仕事、と捉えられていたのが2011年の『3.11』以降、地域コミュニティや場づくりをしたい、という声が高まっていたのもあります。」

どちらに向かえばいいかわからない今の時代は、単純に都心が最先端ではなくて、地方の方がおもしろいチャレンジができるし、センスのいい人も多い。テクノロジーの進歩で場所に関係なく仕事もできる、と秘馬さん。

さらに、

「旅するように働く、とは日本各地で企画を立ち上げると、そこを回っているうちに、気づいたら旅している、という状態のこと。世の中におもしろいことを作っていると、結果旅しているんです。」

【‘無責任’な仕事を責任を持ってやる】

本来の交通手段としての利用が減った路線を使った「鉄道レストラン」では、景色のいいところで徐行できたり、時刻表も自分たちで作れるのが楽しかった、と話す秘馬さん。沿線を盛り上げることにしか使わない、日本初の投資型鉄道ファンド「丹鉄ファンド」を立ち上げたことも。ここでは世界最大のカフェ、と銘打って114kmの沿線全体をカフェとして企画されました。

「企画のネタとしては‘無責任’なことしかやらない。今の日本では責任がある仕事=クライアントや上司に対して責任があること、になってしまっている。要するに、誰かから言われたのではなく、自分の意思でやっている、ということ。」

香川県では「うどんハウス」という古民家を使ったうどんがテーマの宿泊体験を企画されました。チェックインしてから6時間かけてうどんを学び、うどんを打つ。うどんを寝かしている間に生産者さんのところで天ぷらの材料を収穫する、などうどん尽くしの時間が楽しめます。

さらに、香川県民のうどん愛を形にした「うどんの英才教育キット(7,000円)」も販売。孫と一緒に体験したい、送りたい、という県内のおじいちゃん、おばあちゃんによく売れているのだとか。

吉川「香川県三豊市では、弊社も父母ケ浜で海水浴場の指定管理を請けています。美しい夕日やウユニ塩湖のような写真が撮れるので有名になりましたが、その裏には25年以上にわたり浜を守ってきた‘ちちぶの会’のみなさんの思いがあったんです。」

秘馬さん「地方からお金を超える価値を発信したり、世代を越えて受け継いでいくには、食べ物、風景がいいのも大事だけど、その土地を愛してやまない人が居ることが重要です。」

吉川「ところで、香川に移住してうどんハウスを運営している女性も興味深いですね。」

秘馬さん「各地で仕事するのもいいけど、一つの場所にがっつり入り込むのもかっこいいですね。陸で泳げるようになってから泳ごうとする人は多い。でも、まずはプールに入らないと。やはり女性の方がいきなりの状況変化に強いですね。」

吉川「埼玉出身で京都府伊根町に移住して、一部屋だけの宿泊施設とカフェをやっている方もいます。子育て環境としてよかったと。もともとやっていた設計の仕事はリモートでもできる。」

秘馬さん「東京で仕事も子育ても、という以外の選択肢が生まれてますね。地方では起業のハードルも低く、結果が見えるのが早くなる。そうすると次の依頼につながっていくんです。」

吉川「地方では人もやさしいですよね。伊根町のカフェでもメニューが高いとか意見を言う人もいるそうですが、これは興味があることの裏返し。」

この他、地方と都心のマンションの人をつなぐ取り組みや、中津新聞を含めた中津での取り組みが発表され、第一部が終了して一旦懇親会へ。



この日は、三豊市から届いた食材を使ったフィンガーフードと、三豊産のレモンを使ったリモンチェッロというリキュールを使ったカクテルも用意されました。

【好きなことを追求することで、人が集まり旅につながる】

第二部では、すでに旅するように働いている人、働き始めた人にお話しいただきました。

村上晃一さんは、大学でラグビーに出会い卒業後はラグビーの専門誌の出版社に入って、編集長まで務めた後、フリーに。フリーになってからも20年以上、ラグビーに関わり続けています。「好きなことしかやりたくない!ラグビーと一緒に生きていきたい」と話します。

今年はグローバル化の第一歩として日本でラグビーのワールドカップが開催されるそうですが、「こんな状況は考えられなかった21年前からラグビーを追い続けていた、ということに価値がある」と、秘馬さん。

「THANKS HOP」は、ウメキタで始まったホップでコミュニティを醸造しよう、という取り組み。開催するイベントは毎回、特別な集客活動をせずとも数十人の参加があり、7月2日の4回目のイベントでは、広島や愛知など遠方からもこのために人が来る、という状況が生まれました。

秘馬さん「こうなった理由のひとつは、ビジネスになるかどうかより、とにかくおもしろい!と思ってはじめたこと。あとホップ自体が植物なのでどうなるかわからない、といったテクノロジーを離れたところにあって、予想がつかないからしょうがない、と思えることだと思います。」

吉川「好きなこと、キーワードを持つと自己紹介が変わっていきますよね。国境も越えられる。」

秘馬さん「コーヒー好きが高じてルワンダに2年間行ってました、みたいな人がいると周りも、次に何をするんだろう??と気になってきますよね。計算していないけど続けていくうちにある時、急にうわっとなる。」

吉川「なかなかお金にならないんですけどね。」

秘馬さん「マネタイズより、人が健康になる、人の心が豊かになることの方が価値があるんです。そっちができる人の方が重宝される。これからはIT、“インスピレーションテクノロジー“の時代。その直感を生み出すのが旅や出会いだと思います。」

さまざまな切り口からこれからの「働き方」に関するキーワードが発信されたトークセションは、あっという間にお開きの時間に。

吉川「是非、2回目、3回目も開催しましょう!」

秘馬さん「是非!次回以降は、会場を変えて参加者が旅する会議にしたり、あえて会場を明らかにせず探さないと行けない、というのもおもしろいですね。」

懇親会では、地元での取り組みを秘馬さんに相談する人や、香川出身で三豊から来た野菜たちに懐かしさを語る人も。



いったいどんな場所で、どんな形で開催されるのかまだ未定ですが、ご興味のある方は次回に是非、ご参加下さい!

 

文/山口 薫(中津新聞)


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