中津新聞

2019.01.17

ホップとクラフトビールとコミュニティのお話#1

1月15日(火)に、クリエイティブクォーター中津で開催された「ホップとクラフトビールとコミュニティのお話#1」を中津新聞で取材しました。

一般社団法人うめらく代表の山田摩利子さんと、大阪谷町の「ブリューパブテタールヴァレ」の松尾弘寿さんをお招きして、“ホップを通じてコミュニティを醸造する”をテーマにしたトークセッションと、松尾さんが醸造したクラフトビールと料理を楽しむ懇親会が行われました。

会場には、中津という地域やコミュニティづくりに興味のある人、そしてビール好きな人々が総勢60名以上集まり大盛況となりました。すでに次回も参加したいとの声も。注目度の高さが伺えます。

「緑とイノベーション」がテーマのうめきた2期の建設予定地を使ってホップを栽培し、コミュニティづくりに役立てている山田さん。ホップを栽培する、と決めてからSNS上で使ってくれる人を探した所、松尾さんと出会ったそうです。

松尾さん「そもそも、ホップは寒冷地で育つもので大阪で育てよう、という考えがなかったのと、都市型のブルワリーが今までなかった。それが、このタイミングで出会った、という感じです。うちのような小さなブルワリーではなかなかフレッシュなホップは手に入らない、というのも理由の一つでした。」

山田さん「松尾さんに参加していただくことで、ホップを育てるところからクラフトビールを醸造し、振る舞うところまで、一貫してできるようになったんです。」

「顔の見える関係」「参加型」を大切にしてコミュニティづくりをしているという山田さん。ホップを栽培し、クラフトビールを醸造し、振る舞ったり、一緒に乾杯することでどんどん関わる人が増えていく。これが、ホップがコミュニティを醸造する、と言える大きな理由のようです。さらに、こんなビールを作ろう!とイメージしても、結果は出来てみないとわからない、というところも楽しめると言うお二人。

本来なら、どれだけの量を購入するかを決めた上で醸造を依頼し瓶詰めで買い取り、という形が主流だということですが、山田さんと松尾さんの関係は、こんなビールを作りたい!と言えば、松尾さんがOKなら醸造していただける、というのも魅力だそうです。

山田さん「そのかわり、私たちはできたビールにストーリーを付けて必死で宣伝します。ホップを育てた人や生産者さんなど関わった人たちがそれぞれに自分のビールだと思って大切にしています。後は、飲んで返すと言うか。だから、松尾さんのお店に行くとだいたい関わった人が誰かいるんです(笑)。」

トークショーのファシリテーター吉川は「海外でも国内でも、クラフトビールを作っているお店は、街のアイコン。街の面白い人が集まっていたり、外から来た人も馴染みやすい、街の案内所のような存在。」と感じるそうです。

松尾さん「ビールは醸造酒の中でもアルコール度数が一番低くて、一人で飲む、というよりも、長い時間をかけてゆっくり仲間と楽しめる。そこが、コミュニティづくりに適していると思います。そして、他のお酒よりも簡単に作れる。それが、街でアイコンとして存在しやすい理由かもしれませんね。」

トークショーの最後に、お二人の今後の夢を伺いました。

松尾さん「ブリューパブを通じてビールのことをもっと広めたい、というのが会社の目標。だから飲める場所をもっと増やしたい。お店を増やすだけでなく、シェアオフィスや民泊など他の業態とコラボすることなどして、クラフトビールを飲む機会を増やして行きたい。それをエリアに特化することでメリットのあるビジネスにしていければ。」

山田さん「小豆島でカカオを焙煎している人と出会ったので、カカオを入れたビールを仕込み中だったり、風で落ちてしまったりして売り物にならないりんごを仕入れてビールにするなど、関わった人のご縁を反映したビールづくりを始めています。さらに今年は観光業にも手を広げたいと思っています。そして、私がそうだったように、やりたいことや夢を、人との出会いで実現していけるような街づくりをしたいです。」

懇親会では、うめきたホップを使ったクラフトビール「ウメキタフレッシュホップリバティセゾン」や松尾さんのお店の料理が振る舞われました。

「グレープフルーツジュースで割ったみたいにフルーティ!」(女性の参加者)

ビールを手にした人、飲みながら会話を楽しむ人々。笑顔と賑やかな話し声にあふれていて、ビールがあるだけで幸せになれる、そんなビールの力を感じられるひとときでした。

「作る人になったり、提供する側になったり、いろんな関わりがある世界だと興味深く感じた。」(男性の参加者)

クラフトビールは、これまでのサラリーマンが一日の最後に飲む、というやや男性的なイメージのビール像を変化させ、女性も飲みやすくなった、より楽しみやすくなった、と感じます。そして、さらに作るところから参加できる、ということがより大きな魅力となって、飲み物という枠を超えた存在になってきていることを感じました。

現在は、’うめきた’育ちのホップたちが大阪市内を中心に各地へ「嫁」に出され、各拠点でのホップを通じたコミュニティ醸造が始まろうとしています。

次回「ホップとクラフトビールとコミュニティのお話#2」は、2月8日(金)に開催。カカオに関するお話も聞けるかも知れません。

興味のある方は是非、ご参加ください!

 

文/山口薫(中津新聞)


 

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